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こたつ de ××× Second Season

第3章 こたつでミッチョン進行中


雅紀side


「ただいま〜」

玄関を開けると靴をポイポイッと脱ぎ捨て、リビングに向かって一目散に駆けて行く小さな足音。

「こら〜! 靴ちゃんと揃えなさい」

「やだ〜、パパやっといて〜」

玄関で腰に手を宛て仁王立ちの俺を振り返ることなく、小さな背中がリビングの扉に吸い込まれていく。

「もぉ…まったく…」

俺はガックリと肩を落とすと、両手にぶら下げたスーパーの袋を片隅に置き、アッチとコッチに散らばった小さな靴を拾い、玄関の脇に揃えて置いた。

俺はくたびれ革靴を脱ぎ、小さな靴の横に並べて置き、再びスーパーの袋を両手に、リビングへと向かう。

「お〜い、ドア開けて〜」

ドアを開けようにも、両手はスーパーの袋で埋まっていてはどうにもすることが出来ない。

「お〜い…」

返事は…ない。

「はあ…」

スーパーの袋を片手に持ち直して、空いた手がドアノブを引いた瞬間…

「うわっ…!」

扉が一人でに開き、バランスを崩した俺は、危うく前のめりにスッ転ぶところだった。

「あっぶねぇ…」

額の汗を腕で拭い、ふと視線を下に向けると、俺を見上げるくりくりおめ目と、俺に向かって差し出されたモミジのような小さな手が一つ。

「早く頂戴?」
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