第2章 SP登場
2人に護られ、無事家までたどり着いた私。
あと後────
「これからこの路地付近ではストーカーが付きまとうかもしれませんので、裕香さんが朝出勤される時間とお帰りになる時間には俺と大西が近くにいます。ただ、ストーカーに俺達のことがバレては護っている意味がない...そのため、距離を置くことになりますが、万一のことがありましたら駆けつけますから。安心してくださいね。」
一ノ瀬さんはそうやってあの切れ長の目からは見られない優しさを溢れさせた。失礼だけれども。
とりあえず、しばらくは大丈夫そう。
でも、なんで一ノ瀬さんと大西さんは私がストーカーたあってるってこと知っているのかな?
やっぱりプロの人ってすごいなぁ。
──プロ?
別に、翼さんがプロじゃないことくらい知ってる。
でも、もし、あの時私が逃げていれば...。
翼さんは、まだ私の隣で笑っていてくれたのかもしれない。