第22章 何してんの!?
「ケイミーは売り物じゃねェ!!!」
「”海軍大将”と”軍艦”を呼べ!!!目にものを見せてやれ!!!」
天竜人は怒り狂い、叫んだ。
天竜人に逆らうと海軍本部が動き、会場が戦場になる。
人々はパニックになり、泣き叫びながら外へ逃げ出して行く。
その混乱に乗じてゾロはケイミーの方へ斬撃を飛ばし、水槽を斬り裂いた。
ボボボォ……ン!!
すると、天井から新たに三匹の大きなトビウオが突っ込んで来た。
乗っていたのは、ブルック、ロビン、ウソップ。
ブルックは、行ってきます!!!と勢い良く飛び降りる。
ロビンは、悪魔の実の能力で自身の腕で翼をつくり、華麗に宙を舞った。
ウソップは突き落とされた。
「俺、飛ぶとも言って無いんですけど~!!!」
そこへ黒い影が現れた。
その影は天井の穴から単体で侵入して来て、空中を自在に動き回っている。
信じられない程の速さだ。
『ベポ!あれってもしかして!』
「手配書の通りだ!クロウマン・トーリだよ!」
黒い影は、空中で動きを止めた。
大きく広がったマントがその名の通り、鴉の様に見える。逆光で顔は見えない。
(いったい誰………?)
「ナイスタイミングだ!トーリ!俺を助けなさい!!」
「お前は落ちろ!!」
「えーーーー!!??」
ウソップの言葉を全力で却下したトーリは、ロビンの元へ飛んで行った。
ロビンは自分で飛んでいるというのに、彼女を強引に横抱きにしている。
「もっと俺を頼って欲しいな。」
「ふふっ。ありがと。鴉さん。」
「そろそろ名前で呼んでくれ………」
「てめェ!!クソ鳥野郎!!ロビンちゃんに軽々しく触れるんじゃねェ!!」
衛兵達と戦っていたサンジが標的を変えた。
宙を舞うトーリに一蹴り喰らわそうと飛び掛かったが、紙一重のところで躱されてしまった。
「たまには良いだろ!!俺と絡む前にケイミーちゃんを助ける方が先だろうが!!後ろ!後ろ!」
着地したサンジの背後には大勢の衛兵が迫って来ていた。
「くそッ!覚えとけよ!!」
サンジが衛兵達の方へ走って行くのを見届けると、トーリはロビンを抱いたままカナエ達の前にふわりと降り立った。
「援護は頼んだわ。」
「オッケー!任せろ!」