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例のイケメンは凶暴な男。【ONE PIECE 】

第15章 しない。切ない。




『取り乱して申し訳ありませんでした。』

船員達に宥められ、カナエは何とか落ち着きを取り戻したが、シュルティはまだ気に入らないようだ。

「ふん!間違って関係を持ったとしても、直ぐに飽きて捨てられるの落ちよ。」

(まだ言うか………謝ってんのに。)

「ローの女の先輩として、1つ忠告しといてあげるわ!」

(あくまで優位に立ちたいのか………でも忠告?)

「ローは激しく抱いてくれても、キスだけは絶対にしてくれないわよ。期待しない事ね!」

『………………………………………………………え?』

「あらやだ、して欲しかった?あんた本当に図々しい………ちょっと!聞いてんの!?」

カナエはシュルティの声はもう耳に入っておらず、ここ数日の事を思い出していた。

(おかしい………)

確かに、ヤらせろと言われた時はキスは無かった。しかし、カルロとの一件の事でキスを迫ってきてから、ローは隙あらばカナエの唇を狙ってきた。それも日に何度も。

部屋に朝食を持って行った時は勿論、
キッチンで洗い物をしていると背後から近づいて来たり、洗濯物を干していれば、吊るしてある服の中からいきなり現れてカナエを捕まえようとする。一人で腹筋運動をしていれば、上から覆い被さってくる。

カナエはそれを何とか躱していた。
いつも船員達が見ていない所だったのが唯一の救いだったが、カナエはローが実はキス魔なのだと思いビクビクしていた程だ。

(どういう事………?)

カナエはローの様子を見てみたが、いつもの様にニヤリと笑みを浮かべているだけ。
何を考えているのか。

「帰るぞ。お前ら。」

ローは立ち上がり、カナエや船員達もそれに続く。しかしシュルティは、まだ話が終わっていないとカナエの髪を乱暴に掴んできた。

『痛った………!しつこい………!!』

「こんな女!痛い目に遭わせてやるわ………!………………きゃ!!!」

いつの間にかペンギンがシュルティの背後に回り、ギリギリと音を立てて腕を掴んでいる。スーツの船員達は戦闘態勢になった。

カナエは解放され、床に倒れ込みそうになったがローが受け止めてくれた。

「ペンギン!離しなさいよ!!!」

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