第10章 ナーニ・カール島
(完全に理解できる訳じゃないけど……)
その時、シャチが手を握ってきた。
『!?』
「カナエさん!俺は店の女なんて興味無ェ!!カナエさんが相手にしてくれれば……「ROOM 」「ぎゃーー!!!」
『ぅわーーー!!!』
「くだらねェ話してんじゃねェ」
シャチはバラバラにされてしまった。
「船長……ヒドイ……」
(出た!オペオペの実!!このタイミングで見る事になるとは…!!!……グロい……。)
カナエは切断面は見てはいけないと思った。
船員達は、慣れた手つきでシャチを繋げている。
「どけ。ちび女。そこは俺の席だ。」
『はーい。』
上から目線のローにイラっとしたカナエは少しだけ横にずれた。
「俺はどけと言ったんだが。」
『ちびだから邪魔にならないですよね。』
船員達はカナエの態度にヒヤヒヤしている。
「ったく……可愛く無ェな……」
(我ながらそう思う……。)
ローはそう言いながらもカナエの横に座った。
『船長さん、私の…その血の力は何か分かったんですか?』
「全く分からねェ。」
『そ…そうですか。』
(それにしても、背が高い…)
座っていても、カナエはローを見上げるくらいだ。身長差は30㎝以上。
(ちびって言われても仕方ないな……
良く見てもイケメンだなぁ。オイ。)
カナエは悪態をつかれながらも、端正な顔立ちに見惚れてしまっていた。
「何だ。」
『何も。』
「船長ーー!!島が見えましたーー!!!」
「あぁ」
(おぉ…初上陸…!)
カナエは心を踊らせた。