• テキストサイズ

例のイケメンは凶暴な男。【ONE PIECE 】

第42章 あと、3日。





「嫁入り前なのにこんな格好できるワケねェだろぉぉ!!!!」



バァァァァン!!!



馬鹿ヤロー!と叫びながら、部屋の扉を破壊する勢いで蹴り飛ばし、イッカクは外へ飛び出して行った。


『な、何と……。マジか。』

「そ、そんなに気に入らなかったのか……。」

『違うよワンダ!そういう事じゃないから!』


ワンダは少し勘違いをしているようだ。


彼女にフォローを入れるべきだろうが今はそれどころでは無い。
驚いた。
あのイッカクが、あんなに貞操観念の強い女性だったとは。

『…………何か可愛い。ギャップ萌えってヤツか?』

「モエとは何だ?」

『気にしちゃダメ。』

はあ、と溜め息をついたワンダは、まだ落ち込んでいる様子だ。
ドレスのデザインがどうとかの話では無い、と彼女に説明するとホッとしていた。


しかし。


嫁入り前に人前で肌を露出できないと考えている人間が、ローの女というのはどういう事だろうか。


まさか結婚しているのか?

…………いやいや、嫁入り前って言ってたっつーの。


もう生涯を捧げると決めたから抱かれたのだろうか。
ローはその覚悟を分かっているのか?

分かっていて関係を持ったのなら、自分への思わせ振りな台詞達は何だ。


一体、どれが本当のローの気持ちだろう。


イッカクを本気にさせて。
自分も本気にさせて。


とんだ遊び人だ。
ローが最低な人間に思えてきた。



「では、この服は貰っていくぞ。」

『へっ?』



いつの間にかワンダは、カナエのつなぎを丁寧に折り畳んで抱き抱えている。



「少し小さいが、キャロットが着られる。」

『ちょ、ちょっと待って!それは大事な服だからあげられない!』


服の交換は友情の証。


だが、この白いつなぎは皆からのプレゼント。


最初は大きくて動き辛かったが、着ている内に体に馴染んだ。

キッドに引き千切られてボロボロになった。
でも、捨てる事は出来なくて慣れない手付きで何とか直した。

元の世界へ戻ってしまった時も着ていた。
ハートの海賊達との時間を、夢では無かったと確認できる唯一のものだった。


ツギハギだらけでも、手放す事はできない大事な服だ。

/ 240ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp