第1章 カラ松

『やだやだやだぁっ！』


『…何を嫌だと言うんだ
ほら、こんなにも締め付けて
絡み付いてきてるじゃないか』


『ゃ…だ、ねぇ…
カラ松兄ちゃん…私達…』


後戻り、出来ないよ…。


『だから、何だと言うんだ。』


ぐちゅ…カラ松兄ちゃんの
モノがお腹の裏側を強く擦る。


少しお腹が盛り上がった
気がして苦しいのと快楽が
相まって声を零し


『ひぅ……はぁぅ、』


『今更じゃないか…。』


腰を支えていた手が私の胸へと
伸ばしては消えない跡に指を這わす


『んぅ…っ。』


ゾクッとした感覚に身を震わせ
恐る恐るカラ松兄ちゃんを見やる


『兄妹以上に愛し合ってきただろ』


愛し合う…とはお互いが
お互いを想う事、だけど…私は


『わた、…しは…。』


『………それ以上は聞かないぜ』


有無を言わせず私の口を
抑えるカラ松兄ちゃんの大きな手


『んぐ…っ』


『俺ももう…耐えられないからな。』


ゆっくり抜き差ししていた
律動を早め何かを急かすように
腰を振り続けるカラ松兄ちゃん。


抑えられたままの口から
言葉にならない喘ぎを繰り返す


『んぅっ…んっ、んっ…んんぅ。』


『はぁ…はっ…いくぞ…いくっ…。』


『んんんぅっ…！』


『はぁ……莉瑠…っ。』


抜き差していたカラ松兄ちゃんの
モノが脈打つように何かを注ぐ。


どくっ…どくっ…と
私の中に入ってくる熱い液。


『ひ、くっ…っ。』


止まらない涙が溢れ出し
脱力感に襲われる。


『カラ松…兄ちゃ…、』


『ん？…俺はここにいるぞ。
俺の全てを受け取ってくれたな？』


"いい子だ"っと、そう呟いた


欲を吐き出したモノを抜き、
裸同士にも関わらず私を抱き締める


全てが全て現実で
現実が全てを物語っていて


『………愛して、いるんだ。』


苦しそうなカラ松兄ちゃんの
声が私の名を呼ぶ。


あまりにも痛々しくて
そっと背中に腕を回した。


身体に残る余韻も脱力感も
溢れる涙も感じながら愛の
火照った温もりに縋りつく。


中途半端な優しさで
家族想いのカラ松兄ちゃんを
ここまで貶める罪人の私…、


逃げる様にゆっくり深海の海の世界へ
意識を落としていく





"おやすみ"と、

囁く兄の声を聞きながら。




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