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【おそ松さん】口ずさむのは【男主】

第34章 番外編 放課後レッスン


side.カラ松

ある日の放課後
部活は休みだからと帰れる
が、少し台本を読み込んでおきたい

「カラ松?帰んないの」

どうしようか、台本を手に悩んでいたら不意に声をかけられた

カ「一緒に帰ろうと思ったんだが、ちょっと自主練していこうかと思ってな」

「ふーん」

さして興味なさそうに俺の手から台本を取り上げる
ペラペラとページを捲る音だけが響いた

「・・・男なのに姫?」

カ「あぁ。貧しい国の王子が同盟の為に相手国に嫁ぐんだ!その姫をやる・・・俺ぇ」

「何でドヤ顔なわけ」

決め顔をした俺を見ながらクスリと笑う
不覚にも心臓がトクンと跳ねた
付き合って1年経つのに、未だ慣れない

カ「だっ、台本見ながらでいいから、読み合わせ付き合ってくれないか?!」

うるさくなる心臓の音をかき消すように、口を開く

「声でか・・・いいよ、どこやるの」

視線は相変わらず台本だ
よかった、多分今の俺は真っ赤だ
あまり見られたくはない

カ「36ページ頼めるか」

に背を向け、少し早口に言う

「ん」

短い返事を合図に役に入るために集中する

カ「っ・・・なぜ貴方は俺を・・・受け入れたのですか」

驚いた
てっきり台本を手にしていると思っていたのに、振り向くと彼は台本を机に置き立ってこちらを見据えていた

「政略結婚」

冷たい目をして言い放つ

「初めはそうだった」

フッと少しだけ表情を崩す
そこには哀しみも入り混じっているようにみえた

「けれど今は、運命が二人を分かつことがあるなら・・・その運命を変えてみせる」

一歩ずつ、何かを決心しているように言葉を噛みしめながら近付いてくる

目の前まで来ると顎に手を添えられ、上を向かされる

「お分かりか?」

今度は自信に満ちた笑み
またもドクリと心臓が跳ねる

に見惚れてしまい、セリフも出てこない
どうにか頭を回そうとした瞬間、口付けられた

そのまま無遠慮に侵入してくる彼の舌

カ「ん・・んふ、は・・・んぅ」

いつの間にか腰に手を回されていて離れることも出来ない
深く長いキスに、どんどん息苦しくなっていく
唇が離された頃には酸欠になりそうな程だった

カ「は、はぁ・・キ・・・キスは台本にない、だろ」

「あの流れはキスが自然じゃん」




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