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【おそ松さん】口ずさむのは【男主】

第32章 番外編 主人公『で』遊ぼう!


チョロ松の場合

まったく、面倒なことに巻き込まれた
あの長男が面倒以外を引き起こすはずはない

チ「なんで僕がカラ松の真似なんか」

家へと向かう道でブツブツと呟く
しかし仕方ない
もし君を騙し切ったらおそ松が1000円くれると言うのだ

一応予行練習しておこう
アホ毛を2本立たせて、眉に力を入れて

チ「フゥン、こうか?」

喉を開いてなるべく低い声を出す

チ「・・・・」

やっぱ断ろうかな

「なにしてんだ、こんなとこで」

チ「ぅわあ!」

突如後ろから声を掛けられ、上ずった悲鳴を上げる
ゆっくり振り向くとそこには件の彼

チ「あ・・んん!いや、少し役の練習をだな」

「ふーん、道の真ん中で?」

チ「あ、あぁ」

「・・・ま、いいけど」

思わずカラ松になり切ってみたけど、これイケそうじゃない?!
僕もなかなかじゃないか

これは1000円いただきだなっと若干興奮していると、ふいに頭を撫でられる

チ「わっ、な、なに」

撫でている本人をみれば穏やかに笑っている

う、わぁ・・・なにこの笑顔
君ってこんな笑い方するんだ
いや、今僕をカラ松だと思ってるからか

「・・・ふっ、やっぱりな」

頭を撫でたまま、穏やかな笑いからニヤニヤとした笑いになっていく

チ「な、なに」

「今度はチョロ松か」

チ「嘘!なんでわかるの?!」

「髪、撫でたら立たなくなった」

ペソッと自分のつむじを触る
ホントだ

「・・・」

チ「ごめんね」

「なにが?」

チ「騙して」

「別に。あんた達の間でなり切って遊んでるだけだろ」

当たらずとも遠からず
自分が標的にされてるとは思ってないのか

「ま、まだまだ甘いけど」

チ「ん?」

なにやらボソリと呟いてる

「いや、んじゃあな。あんたも気ぃ付けて帰りなよ」

チ「う・・うん、それじゃあ」

意外だ、気遣ってくれた
ぶっきらぼうにみえてそうじゃないのかな

・・・ま、いいや
僕の番終わったし帰ろう



次こそは・・・?


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