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十四郎の恋愛白書 1

第7章 No. 7


最近屯所では、オレがとうとうトッシーに人格を乗っ取られ始めたと噂が立っている。

噂の原因は、今オレの手の中にある可愛らしい少女漫画の単行本だ。

ふん、好きに言いやがれ。
オレは今「男女のお付き合い」ってやつについて勉強してるんだよ。

ゆきに頭を撫でられた定食屋の帰り道、たまたまマガジンを買いに寄った書店で店頭に平積みされていた少女漫画が目に付いた。

天井からぶら下がる広告によると、それは【少女漫画人気第1位!】らしい。

トッシーを成仏させるために一時期オタク道を極めた。その時の知識によると、少女漫画は主に恋愛モノが多い。この人気第1位漫画も切ないラブストーリーらしい。

「……… 」

オレはマガジンとその漫画を手に取ると、レジへと向かったのだ。

少女漫画、侮るべからず!
女性視点で描かれているため、女心が凄くよくわかる。

自分とゆきの未来を想像し、オレは少女漫画を次々に読破した。
初めは部屋にコッソリ隠して人目を忍んで読んでいたが、総悟に見付かりさらし者になってからは、堂々と隊士の前でも読んでやった。

今ではいくつかの人気シリーズは全巻揃えている。

お陰で男女のお付き合いというものがどういうものか分かったし、女がどうすれば男にトキメクかなどのシチュエーションもバッチリだ。

オレは少女漫画を趣味で読んでるんじゃねぇ。勉強のために読んでるんだよ。
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