• テキストサイズ

イケメン王宮◆アラン=クロフォード

第1章 プロローグ


私は、家庭教師。
登校が困難な生徒の自宅で勉強を教えている。

そんな日々を過ごしていてある日のこと。
私の家のポストに、キラキラした封筒が一通入っていた。

「なん、だろ、、、」

開けて読んでみる。

「この度、貴方様はプリンセス候補に選ばれました、、、」

は?
プリンセス?
なんの?

あ、え?

状況がうまく飲み込めない。
えっと、とにかく、候補に選ばれたから、お城に行けばいいと。
そゆことか。

「!」

私は、あることを思い出した。
お城の庭園に、大切な用事があるということ。

絶対行かなくちゃ。


プリンセス候補者が集まる日がやってきた。
「やばい。どうしよ。遅刻しちゃう!」
あわてて、お城へ向かう。

がんばって走ったけど、門はすでにしまっていた。
門のところまで、見に行くと、誰もいないようだ。
そっか、プリンセス候補のひとたちは、もう中にいるのか。
なら、チャンスかも?

私は、門の左側にある緑のツタに覆われた石の壁に目をやった。

「登れちゃうかも。んしょ、、、っと、ここに、足をかけて、あ、ちょ。っと、ちがうかな、っと、」

こんなことをやっていると、入り口から鎧を着た人たちがゾロゾロやってきて、見張りの位置につこうとしている。

「つか、やばい、バレる!」と、心の中で叫んでいたら、

「なにやってんだ?お前」

と、声をかけられた。

「あ」慌てていたら、案内の手紙を下に落としてしまった。

「おまえ、プリンセス候補か?」

「はい、あの、どうしても、中に入りたいんです。」

と言うと、騎士は目を釣り上げて言った。

「遅刻するようなプリンセス候補は、入れられない。お城のおきてだ。」

「そう、ですよね。あの、でも、わたし、」


「ん?」


「どうしても、お城の中庭に入りたいの。大切な用事があって。お願い、入れてください。」

「なんだよ、大事な用事って。」

「それは、」

「言えないのかよ。嘘ついてんのか?」

「いえ、嘘じゃありません。お城の庭に、どうしても行かなくてはならないの。庭を見たら、すぐ帰ります。だから、お願い、入れて。」

騎士は、クスッと笑いながら
私を抱き抱えて、塀をひらりと飛び越えた。

「キャッ」

「静かにしろよ。庭に行ったら、すぐに帰れよ。」

私はお礼を言って、お城の中へ入った。
/ 17ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp