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大輪の花は刻を越えて咲く【イケメン戦国】

第3章 めざめ



ゴロゴロという音が静かな夜の町に響く。店先から漏れる灯りと笑い声、三味線などの音色を聞きながら優希はまだ歩いていた。


「ちょっと…予想より寒かったかも」そう言って自分の服装を見下ろすと優希は小さくため息を着いた。
暦のうえでは春の終わりだというのに日が暮れてからふく風はとても冷たい。朝に見た天気予報ではお昼頃の天気のマークと最高気温しか見ていなかった。
(昼間まで)暖かい気温と(チェックインの時間を忘れるくらい)色んな場所をたずねることしか頭になかった優希は白のシャツにカーキ色のスカート、小花の形に結われた飾りが可愛らしいウェッジソールをはいていた。その結果が今の状態だった。予想以上の空気の冷たさに服では隠しきれない手足が寒さで震える。
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