• テキストサイズ

【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第14章 熱に浮かされて(バイト編)【紅松】


トド松side


お昼に目を覚ますと、体がまるで岩になった様に重たかった。
寝たら直るかと思ったけど、夕方になっても治らなくてとても銭湯に行く気にはなれない。
朝はバイトの夢を見るし、最悪だ・・・

僕はバイトの事を気にしていた。
僕が休んでしまったらあの金髪の少年一人だ。
僕の代わりが直ぐに見つかればいいけど見つからなかったら店長に迷惑をかけてしまう。
それに、あの金髪に何か仕返しされそうで怖かった。

すると、チョロ松兄さんが僕の代理を申し出てくれた。
一瞬助かったと思ったけれどこの四日間の事を思い出して青褪めた。
あの状況を兄弟に知られたくない。
僕はバイトの代理も銭湯もそれとない理由で断って、再び寝た。
兄弟は納得したようで銭湯に向かう音がする。

本当は一人でお風呂に入るなんて嫌だった。
でも、立ち上がってしまえば、気分が悪いのを隠し通せる自信がない。


「風邪かな~」

僕は兄弟が出かけたのを確認して体温計を取りに居間に向かった。
体温計を脇に挟み、テーブルにうなだれる。
頬から伝わるテーブルの冷たさが物凄く心地いい。
そのうち、電子音が鳴って、僕は体温計を襟もとから手を突っ込んで取り出した。

「はっ!?38.6℃!?」

どうりでと肩を落とす。
でも、バイトに出かける以上、お風呂に入らず出かけたくはないので兄弟がいないうちにお風呂を済ませることにした。
寂しい一人でのお風呂。
自分の背中を流すなんてどれだけぶりだろうと思いながら体を洗う。
目の前の鏡に映る自分の顔。
目はうつろで湯気の所為か風邪の所為か頬は赤かった。
僕は立っているのが辛いのでさっさとお風呂を済ませ、とりあえず寝間着に着替えた。
そして台所に置いてあった小さいクロワッサンを一つ貪って風邪薬を流し込み、居間のテーブルに突っ伏した。

やはり、テーブルの冷たさが心地良い。
だけど、体の芯には悪寒を感じて、テーブルから頭を離すとテーブルのしたに体を埋めた。
少し前に寒くなってきたので我が家のテーブルは今、布団が敷かれ炬燵になっている。
僕は炬燵のスイッチを入れて、まだひんやりとする炬燵の中で手足同士を擦り合わせながら寒さを紛らわせた。

/ 342ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp