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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第11章 別れ(モブサイコ編)


おそ松side


しばらく入院するカラ松とカラ松の血で汚れた一松の服の替えを手に俺達は病室を訪れた。



「ふざけるな!冗談じゃない!!」


俺達はカラ松の怒鳴り声に立ち止まった。



「ふざけてないし、冗談じゃない」
「な、何故なんだ・・・一松?」


聞いたことのないほど力ないカラ松の声から少し間をおいて一松がはっきりと言った。



「俺、もうお前と付き合うとか無理。嫌いなんだよ、クソ松・・・だから別れt」

パシーーーン!


一松の思いもよらない台詞。
そしてそれを遮る乾いた音。
部屋に駆け込んだ俺達は再び唖然とした。
その光景を見て乾いた音がたった今まで共に病室の前に居た十四松が一松の頬をひっぱたいた音だと知る。

一松も自分の頬を叩いたのが十四松だと確認し目を見開いていた。

まさかあの十四松が・・・


考えを巡らせながらもとりあえず仲介に入る。
トド松は自分の手を大粒の涙を流しながら見つめる十四松に寄り添い、チョロ松は一松を部屋から連れ出した。
俺はトド松と十四松に席を外すよう促してカラ松に向き合った。


「カラ松、話しがあるんだけど?」
「・・・ああ」

俺はトド松と十四松が出て行ったことを確認してベッド脇に置かれた丸椅子に腰を下ろした。

「とりあえず、無事で何より。あと、一松を助けてくれてありがとう!」

しかし、カラ松はぼーっと白い布団を眺めたままだ。

「一松に振られちゃったの?」
「聞いていたのか?」

カラ松は眉を下げて笑った。

「うん、聞こえちった・・・あのさ、一松から聞いたよ、媚薬飲まされたって。それでお前はどうしたの?」

一松から一度聞いた話ではあったがカラ松の口からも聞いておきたかった。
だって多分こいつら・・・




すれ違ってるだけだと思うんだよね。



こういう時は兄貴がそっと手を差し伸べなくちゃだろ?


カラ松のお兄ちゃんは唯一、俺だけなんだから。
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