With Live Planet _この星で生きる_
第11章 愛は狂気に、憎しみは殺意に
「う〜ん…困ったなぁ…」
私は1人、救護室の包帯や消毒を借りて処置していた。
あの日以来ガブリエルさんとベタベタするのを控えたワンとトューは私に地味な嫌がらせをするようになっていた。
前は訓練中に汗をかいたので持ってきていたタオルで拭こうとしていたら破れていた。
何かに引っかかって破れた感じではなく、明らかに切られた感じだ。
いちいちガブリエルさんに言うのもあれだからな…
という感じでしばらく我慢をしていた。
しかし今回は違う。
私が仲の良い2級戦闘士に指導をしていたら突然、トューに足元をすくわれて転んだのだ。
それだけならまだ良かったのだがその時にワンが剣を落としてきて、怪我をしてしまったのだ。
幸い、少しふくらはぎを損傷しただけなのが救いだ。
「何もないところで転ぶなんて器用すぎじゃない?」
そう言いながらガブリエルさんが救護室に来てくれた。
「自分でもびっくりですよ」
えへへと笑っているとガブリエルさんはため息をつきながら、包帯を巻き直してくれた。
「はい、できた。…気をつけてよ?」
私は礼を言って、再び訓練に戻る。
「アマテラスさぁん、大丈夫ですかぁ?
すみませ〜ん」
ワンとトューがわざとらしく謝ってきて、結構腹は立ったが一応私も年上だ。
「大丈夫だよ、こっちこそ不注意だったね」
私は感情を押し殺して、2級戦闘士の元に戻る。
「待たせてごめん、えっと…切り返し方教えてたっけ?」
私はふくらはぎの痛みに耐えながら教えていると、密着した姿勢になった。
「ーあのアマテラスさん…自分にはあの2人わざとやったように」
「…大丈夫だから。他の人には言わないで」
私がそう言うと彼は頷いてたが、少々腑に落ちていないようだ。
いつか殺されるかもな……。
なんて思いながらその日を終えた。