With Live Planet _この星で生きる_
第10章 私は誰でしょうか
あー…なんだかカップルっぽいことしたいなぁ
なんて思いながら自室に戻って訓練の準備をする。
さっきのは実は嘘で書類は昨日のうちに提出してある。
なんだかガブリエルさんにベタベタしているワンとトューに嫉妬してしまったのだ。
「年下に嫉妬か…大人気ないなぁ」
なんて自分に自分で呆れてしまう。
支度が終わってしまい、暇していると扉をノックされた。
「はーい…って、ガブリエルさんどうしたんですか?」
「書類は⁇どうしたのかな⁇」
私が扉を開けるなり部屋に入ってきて、食い気味でガブリエルさんは聞いてきた。
「…えっと、提出してきましたよ」
「いつ?」
「今ですけど………き、昨日出してましたぁぁ」
沈黙に耐えれず私は本当のことを言った。
どうやらガブリエルさんは知っていたようで、ニヤニヤしている。
「どうして嘘ついてまで出てったの?」
ワンとトューに嫉妬したからです、なんて恥ずかしくて言いづらい。
それでもガブリエルさんは私の顔を覗き込んでくる。
どうせ理由なんでお見通しだろう。
「し、嫉妬したんですっ///…だってリエルさんって呼ぶし?隣の席も取られたし?腕に抱きついてっ………」
私がそう言っているとガブリエルさんは私に抱きついてきた。
「嫉妬してくれてありがとう。僕はアテラスだけが好きだから」
私の頭を子供をあやすようにポンポンと撫でてくれる。
本当に暖かくて安心するな。
「これからはあの2人にはリエルって呼ばせないから」
私は少し恥ずかしさもあり、顔も見せたくなかったのでそのまま抱きついていた。
それからの訓練でもワンとトューはリエルさんにベタベタしていたが、あからさまに彼は嫌がっていた。
お昼の時は隣の席を取っておいてくれたし、2人とも彼を「ガブリエルさん」と呼んでいた。
いつの間にガブリエルさんのことこんなに好きになってたんだろ…
なんてことを私は思っていた。