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土曜日19時32分。【リボーン/ディーノ】

第3章 出会いのやり直し





......変わらず気分は最悪。

昨日はディーノさんに失礼なことをしてしまった。
顔を見て吐くだなんて、失礼極まりない。
嘔吐物がかからなかったから良かったものの(良くはないか)、あの後の空気は最悪だった。

それはそうだ。
あの人は善意から私を支えようとしてくれていたのに、顔を見た瞬間嘔吐するなんて。その後もガタガタと震えが止まらず、結局、私を寮まで送ってくれたのもディーノさんの部下の人だ。


次にあったらちゃんと謝ろう。


彼は何もしていない。
私が3年前に会ったのはディーノさんじゃないんだ。
わかってはいるが、雰囲気、見た目、香水の香り全部が似ていてどうしても思い出してしまう。人生で一番最悪だったあの日を。あの時のことを。あの苦痛、恐怖を。


そんなことを思いながら街を歩いていた。

「 アユ先輩やっぱ、まだ体調悪いです?言ってくれれば、私1人で来ましたけど、、」

「あ、うんん。大丈夫だよ。一緒に来てくれてありがとう。やっぱり、 うららちゃんは優しいね。」

「い、いえ。そんなことないです///」

切らしていたコーヒーのフィルターを買いに駅前のスーパーまで来ていた。
昨日の帰宅後の様子を見てか心配した同室の後輩と一緒に。
彼女は うららちゃん。中性的な綺麗な顔立ちをしているが行動や表情など見ているとすごくかわいい。

「他に何か、いるものある?」

「...牛乳はまだあったし、洗剤、ウェットティッシュも予備があったし、....あ、あれはありましたっけ?ハンドソープ。」

「あ、無くなりかけてたわね。それなら、薬局にもよりましょうか。」

「そうですね。」

そんな話をしながらスーパーを出る。
同室になってからまだ半年も経っていないのに会話だけ聞くとまるで熟年の夫婦のようだ。


駅の方から人が歩いてくるのが見えた。
もう、忘れもしないだろう。

「...こんにちは。」

目があったため軽く会釈する。

「... 藤宮だったか?昨日はあの後なんともなかったか?」

そう言って近づいてくる。
思わず眉間にシワが寄ったのがわかる。
後ずさりしそうになるのを堪える。

「あの。あなた達なんですか? アユ先輩に何か用でも?」

うららが私とディーノさんの間に立つ。
その気遣いが嬉しかった。
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