第12章 REUNIONー再会ー
「本当ですか!?」
勢い良く身を乗り出して問う私に、源義経は力強く頷いた。
「うん、本当だよ。
僕が連れて来たんだからね。」
「どうして……そんな……」
「正直、君の身を案じて……とか生温い感情じゃ無い。
でもね、あの髭面のジジイが僕に
『最高に面白い世界』を見せてくれるって言うからさ。
それに賭けてみようって思ったんだ。」
髭面のジジイ………?
それはきっと信長様だ。
『最高に面白い世界を見せてやる』
それが信長様の言葉だとしたら……これ程までにストンと納得出来る事は無い。
完全に源義経を信用した訳じゃ無いけど、私も賭けてみようって思った。
そう、とにかくこの部屋から出なければ何も始まらないし。
私がこくりと喉を鳴らしそっと源義経の手を取ると
「良し、行くよ。」
彼は私の手を引いて部屋を飛び出した。
部屋を出て少し歩くと石造りの螺旋階段があった。
上へと伸びる長い階段を見上げて此所が地下だったんだと漸く覚る。
道理で部屋には窓も無い筈だ。
「この階段を登り切った先に通気孔がある。
その外に漂流者(ドリフ)が待機してる筈だから
大変だろうけど一気に登るよ。」
そう言われて目を凝らして見ると、確かに遥か上に人一人が通れそうな程の隙間があって、そこから光が差し込んでいる。
そこへ辿り着く迄の段数の多さには辟易するけれど、そんな事は言っていられない。
先ずはあの通気孔まで辿り着かなくちゃ。
そして私と源義経は覚悟を決めて足を踏み出した。