第14章 その後·····
「犬猫山くん…!!」
私の腕の中で困惑した表情を浮かべる八木さんだっだが、叫び声すら上げなかった。…流石、頂点まで行ったプロヒーロー。ちらりと頭上を見ると、相澤先生が驚愕した顔でこちらに身を乗り出していた。ほんっと、タイミングのいい先生だ。私は八木さんをしっかりと抱きしめた。
「手荒なことしてすみません。でも、相澤先生は絶対反対すると思ったので」
そして、私に何かを言おうとする八木さんに向かって、私は目線で訴えた。
「ほら、見て」
私の視線を追うように、彼もそちらに目を向けた。そして、目を丸くする。
「……君はこの景色を見せたかったのかい?」
私は満足そうに頷いた。大きな夕日が彼の顔を照らし、彼の瞳に反射してキラキラと光ったように見えた。