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私の敵はヒーロー

第12章 楽しい楽しい林間合宿


私の目的は足場を崩すこと。

「くそっ!」

不意をつかれたヴィランが真っ逆さまに落ちていく。

「…すごい…あんた…こんなのあるなら早く出せよ!!」

思わず洸太くんの口から漏れ出た言葉にお礼を言い、そして訂正を加える。

「出さなかったんじゃなくて、出せなかったんだよ。最低でも、緑谷くんから離れて使わないといけない。それに、これは最終手段だったから」

私の言葉に首を傾げる洸太くん。私は緑谷をセイマーたちに任せ、急いでこの場から離れようとする。

「一方通行の道が塞がっちゃうからね。あんまり地形を変化させると、ここは崖だから私たちが危ない。それに…あの程度じゃすぐに上がってくる」

そして、私がやっとこさ道を見つけ、まず最初に洸太くんを奥へとやる。次は緑谷だ。

「走って!! とにかく走って見知った顔を見つけて!! 知らない人と遭遇した時は隠れ……」
「…? どうかした?」

私は微かな音を感じ取り、最後の足掻きにと緑谷を奥へと追い込んだ。そして、口を開く。

「敵の狙いは私みたいだし、なんとか引き付けておくから…逃げて!!」

大きな衝撃音と爆風が辺りを包む。地形なんて考えなしか…!!

「やっと上がって来れた!! 最初からこうすれば良かったんだ!!」

体を先ほどより何倍も大きくして現れたヴィランが、私を見て下卑た笑みを浮かべながらそう言った。緑谷が戦闘不能となった今…私に勝機はあるのか…微妙なところだ。
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