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松の間

第16章 初心だから*十四松


side.十四松

今日は僕の家で、大好きな一之瀬ちゃんとお喋り
一緒に雑誌を見ながら、今度行きたい場所や食べたい物を見ていく

雑誌を真ん中に、向き合って座る

「ここは?広いからキャッチボール出来そうだよ」

十「ほんとだ!近くに美味しそうなケーキ屋さんあるよ~」

「あ、いいね!」

2人で話すだけなのに、それがすごく楽しい
外で遊んだり、ご飯食べたりするのもいいけど、こういう時間もいいなぁ

「ねぇねぇ、十四松君」

十「ん?」

一之瀬ちゃんに呼ばれ、雑誌から顔を上げる

十「・・・」

「十四松君?」

近い、一之瀬ちゃんの顔が目の前だ

十「わわ、えと、近いね」

カァッと顔が熱くなる
視線を下げ、手を前に出して一之瀬ちゃんと距離を取ろうとした

フニッ

「あ・・・じゅ、十四松、君」

フニッとした感触と聞き慣れない彼女の声
何事かと自分の手を見やると

・・・む、む、胸?!

十「うわああぁぁぁあ!ご、ご、ごめんね!!」

お尻が摩擦で燃えるんじゃないかっていう程の早さで後ずさる
勢いよ過ぎてドスっと壁にぶつかった

どうしよう、一之瀬ちゃんの胸触っちゃった
驚きと恥ずかしさから、ダルダルの裾で顔を隠す

「そ、そんなに謝らなくても大丈夫、だよ」

十「でも、僕、一之瀬ちゃんの・・・む、胸、触っちゃった」

顔を隠していた手を握られ、ゆっくり下ろされる

「もぅ、普段あんなこと言ってるのに」

十「だって、一之瀬ちゃんが好きだし可愛いから・・・それに大切にしたいの」

そこまで言ったら一之瀬ちゃんに抱き締められた

「ありがとう。私も十四松君が大好きだし、大切だよ」

僕も彼女の背に回す

「でも十四松君が触りたいって言うなら、私・・・」

ガバッと体を離す


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