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NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】

第5章 昔話












『私が1番最初に見た記憶は…



────親が私を見て怯えている所だった…』



静かに話し出した叶風の視線は天井からベッドの下の辺りへ移っていた


『私の生まれた国は周りから見れば平和で、呑気で…便利ないい国なんだと思う…

けれど、物心ついた頃から風を操ることが出来た私はそんな風には思えなかった



親は虐待。私は名前もなく、友達もいない。



虐待がバレたのか海に投げ捨てられていつの間にか異国の地へ〜って感じ』


ぽつり、ぽつりと言葉を紡いでいくと徐々に蘇ってくる記憶


『全然知らない異国の地で言葉を学び、女として売られ身体で稼ぐ事を覚えた。この時15か16くらいかな?』


自傷気味に笑ってみるが、きっと笑えていないだろう


『それで、色んな国を飛び回って仕事した。お金稼いで、誰にも邪魔されずに、幸せになれるように、って頑張ってた。力をひた隠しにして





けれど、…皮肉な事に国を超えて仕事をしてたからその先々で私を買おうとする人が沢山いてね、



もちろん買われたくなかったから断ったよ。けれど相手はマフィアが殆どだから力尽くで私を捕まえに来た




そこで力を使っちゃったわけ。そんで余計追われる身になって、20の頃から殺しの道に走った』



はい、おしまいと手を叩いた


『これでまとめられる?』




彼女から告げられた過去は思っていたよりも衝撃的だった



もっと、親殺されたとか、長年追われる身だとかそんなのを予想していた



だが、実際は想像を遥かに超えていてそれにある感情も生まれていた



同感でもない、哀れみでもない何か




コイツに感じる“壁”は今までの人生の中で作り上げられてきたものなんだろう


「…ああ、充分だァ」

そう答えれば、そう、と言って再びベッドに倒れ込んだ



「あとは俺がやっておくから先に寝てろ」


『………じゃあ任せる。明日は私が椅子だから!』


暫く睨まれたが叶風から折れた


「わぁったよ」


はいはいと軽くあしらえばムスッとしつつも布団に潜った



『…おやすみ』


「ああァ」



そうして叶風は眠りについた




暫くスクアーロは作業に追われたという…
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