第13章 ランチタイム・クラッシュ
◆◇伊織視点
チャイムが鳴る。一斉に教室内がざわつき、教師は教壇から去って行く。
「――ん、伊織ちゃんてば!」
「ん……」
ゆさゆさと揺さぶられ、机に伏していた私は横向きになり、相手を見上げた。
「また4限めの時間寝てたでしょ。先生にらんでたよ?」
「んー……zzz」
「お願いだから起きてよぅ!」
今度は先ほどと比べてそれはもう激しく、何度も頭ががくがくと揺すられ、私は否応なく起こされた。
ゆっくりと上体を起こし、大きく背伸びをする。
欠伸を漏らして眠たい瞼をこすっていると、次第におぼろげだった輪郭がはっきりと見えるようになった。
目の前の女子生徒を視認し、私は欠伸を殺してふにゃりと笑った。
「ああ、紗綾……おはよ。」
「おはよ。じゃないよ、もぅ…」