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君が笑う、その時まで

第9章 練習試合


 森山さんの背中に隠れるようにして体育館に戻ると、コート整備は大方終わっているようだった。
 
 今は両チームとも再開までのわずかな時間を使って集中力を高めているのだろう、と思いきや――


「アンタはバカか。ば火神か!!?」

 誠凛側のベンチではカントクさんの叱責が続いている。こっそり聞き耳を立てると、アンタの壊したゴール代がウチの弁償になったらどうなるのというような内容を繰り返しており、事件の当事者はかなり身に応えているようだった。

「――ま。これでウチの実力も分かったことだし、相手は本気で来るわね」

 そう、これはあくまで誠凛が海常とハンデ無しの試合をできるようになったに過ぎない。

「いいか。常連だか強豪だからってビビんじゃねぇぞ!最後まで諦めんな!!!!」
「「「「おうっ!!!!!」」」」

 耳の痛い言葉が聞こえてくる。それは当然海常のベンチにも届いており、海常レギュラーも負けず劣らずの気迫を見せつけている。

「いいか。練習試合と言ってもインターハイ予選前の試合だ。――相手がどこだろうとキッチリ点取りに行くぞ!!!」
「「「「おうっ!!!!!」」」」




 ――そして、誠凛高校対海常高校の試合が再開された。
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