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そうして君に落ちるまで

第5章 いつもの(神田)











風邪をひいてから2日目。
なんでこんなにこじらせてるんだろ…



あまりお世話にならないというか、最初の案内のとき以来の病室は、改めて見るとこんなに小さかったっけ?と思った。


「熱、引かないわね…。今日も部屋でお休みなさい。」

「…はい…」


看護婦さんから薬をもらい、頭を下げ、病室を出る。

頭がガンガンするけど、歩けない程じゃないし、風邪を他の人にうつしたら困るし、それなら私なんかよりずっと重症の人へベッドを回して欲しかったから「自室じゃないと眠れない」と言って部屋で休むことにさせてもらった。


のは良いけど。


「やっぱ頭痛い…」

元々あんまり熱とか出ないタイプなのにな…。
立ち止まると目が回ってると自覚する。

貼ってもらった湿布は気持ち良いけれど、それでも頭はガンガンと音を立てているようで。


「大丈夫ですか?」

そんなふらふらと歩いているところを、肩を掴まれ、振り返ったところには白髪の少年とオレンジ髪の青年がいた。

「あ…大食いの…」

「え?」

間違えるはずがない。この子はいつも大量にいろんな料理を頼む子だ。

「ああ、ごめんなさい。私調理班なの。君を見かけたら「アレンが来たぞー!」っていっつも声かかるから…」

「えっなんかゴメンなさい。」

「ううん、楽しいよ。」


今日はご飯はもう食べたのかと聞くと、「はい!今日も美味しかったです!」と笑ってくれる。ああなんて良い子なんだ。全く作り甲斐があるな…。


「てかオネーさんダイジョーブ?部屋まで送るぜ。」

「ラビ1人に送らせるのは不安なんで僕も行きます。」


大丈夫と断ったけれど、いいのいいのと軽々持ち上げられてしまっ…まって?!


「いや、ちょっと…これはちょっと…」

「え?あ、部屋どこですか?」

「降ろしてください…」

「部屋、どこですか?」


だめだ…どうやら降ろしてはくれないようで。ニコリと笑うその笑顔は有無を言わせないものだった。

確かに楽だけど……

こんな少年にお姫様抱っこをされる恥ずかしさと自分の体重を考えて申し訳なさが浮かぶ。


そう言えば、「僕らは体鍛えてますから。」とまたニコリ。


あ…もしかして…


「君たちエクソシスト…?」





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