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第43章 終末での始まり


sideーカカシー

「……ちかいぞ、カカシ!」

オレの前を走るパックンが言った。

うちはルミの里抜け…。

予定より早く任務を終えて里に戻った俺に告げられたのは、予想するはずもないことだった。

俺はすぐさま、忍犬のパックンを口寄せすると、ルミの奪還部隊を追った。

そして今にいたる。


"ザザー"

振りだした雨に、俺はパックンご臭いをたどれなくなることを心配した。

「……不味いな、臭いが消えたら追い付けない…」

俺がそう言うと、前を走るパックンがスピードを落とした。

「……どうやらその心配は必要無いようだぞ…」

パックンの言葉に、その視線の先を見た俺は雨に打たれる小さな後ろ姿を発見した。

その背は、何故か止まっていたが、ゆっくりと歩き出した。


「……土遁・土流壁!!」


俺は、ルミがその場から離れる前に、術でその行く手を遮った。

行く手を阻まれたルミはゆっくり俺を振り返った。


『……先生…』


その声は、普段聞いている流のものより少し高い、少女のものだった。


「……ルミお前っ!」


俺はルミに近付こうとして、ナルトとサスケが倒れているのを発見した。

(まさか、殺したのか!?)

あり得ないと思いつつもそんな考えが脳裏を過った。


『……大丈夫、生きてますよ。』


俺のそんな焦りを知ってか、ルミがそう言った。

その言葉に、二人が生きていること、ルミが仲間を殺していないことの二つに安堵した。



「……どうしちゃったのよ?ルミ……

お前は復讐とかそう言うの嫌いなこでしょ?」


俺はルミがうちは一族であったこと、そしてイタチに父を殺された復讐の為に力を求め里抜けをしたと聞かされていた。

だが、俺はどうしてもそれを信じられなかった。
いや、信じたくなかった。

(ルミは誰より他人の悲しみに敏感な子だ…
そして優しい…)

敵だろうとどんな悪党だろうと殺す事をよしとしなかったルミが、サスケの身内でもあるイタチに復讐するなど考えられなかった。

何よりルミはいつも自分の想いを無視してまで他人の幸せを願っていた。

まるで他人の幸せが自分の幸せだとでも言うように。



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