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第43章 終末での始まり


『……はい…』

私の言葉に、カカシの雰囲気が変わった。

「……そうか…。仕方ない…無理矢理連れ帰る仕方ないようだな…」

カカシの纏う空気が鋭くなった。

「……サバイバル演習の時のようには行かないぞ…!」

カカシはそう言うと私に向かって走ってきた。

『それはどうでしょう?』

私はそう言うと黒に戻っていた瞳を写輪眼に変えた。

それを見たカカシが驚く。
そして、左目を隠していた額宛を上げた。

私は瞬身でカカシと距離を取ると印を結んだ。

大人で、しかも男のカカシと体術で戦うことにならないようにだ。

中忍試験の時の大蛇丸のように、カカシは油断などしていない。
言霊も何度も使えるものではなく、歌遁も発動する暇を与えてはもらえないだろう。

そもそも、歌遁は援護系の血継限界だと私は考えていた。


『風遁・練空弾!』

私は印を結びカカシに向けて術を放つ。

だが、カカシは私と全く同じ印を結んで術を相殺してきた。

"キンっ"

石が飛んできて額宛に当たる。

私は両腕で顔を庇った。
石が止んでも砂煙が起こる。


『…風遁・旋風弾!』


私は印を組まずにピストルを構えるように右手を前に出した。

私の指先にチャクラが集まり、小さな球となりカカシに向かって飛んでいく。
それは風の性質へんかを受けていた。

風遁螺旋丸のミニチュアで飛ばすことのできる私のオリジナルだ。

カカシは私が印を無しに術を発動したことと、術の正体に気付き驚きながらも術を避ける。

"バキバキッ"

カカシが避けた術は後ろの木に当たると、弾けて凄まじい風を起こした。


『…印無しだったらコピー出来ませんよね?』

私は不敵な笑みを浮かべてカカシを見た。

『豪火球の術!』

私は再び印を組まずに術を放った。
豪火球の術はカカシもコピーせずに使えるが、術が発動するタイミングを計らせないメリットがあるからだった。


「印無しで術を発動しただと!?」

カカシは豪火球をかわしながら驚きに眼を見張る。

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