第30章 中忍試験
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一次試験が終わり、集められたテスト用紙をイビキは見ていた。
「まさか、この試験を白紙で通過するやつが現れるなんてな。」
威勢の良かった金髪小僧を思い出して笑いながら、次の用紙、またその次の用紙と目を通して行く。
そして、何枚目かでイビキの用紙を捲る手が止まった。
「これは……!?」
そこには、用紙一面にびっしりと書かれた、意味をなさない文字や記号。
どこかで見たことがあるそれに、イビキは文字が何なのか理解した。
「暗号か!」
だが、所詮下忍が作った暗号だ。
何故、暗号化したのかは知らないが、イビキは暗号を解読しようとした。
(…………解けない。)
イビキは下忍が作った暗号が解けないことに落ち込んだ。
だが、何か重要なことがあるかもしれないと思い至り、すぐに暗号解析部分に回された。
二週間後、漸く解かれた暗号に解部が脱力したのは言うまでもかなかった。