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第30章 中忍試験


カカシは、まさか私が泣いているとは思わなかったようで驚いていた。

「本当、どうした~の?」

カカシは頬を人差し指でかきながら私のとなりしゃがみ込んだ。

『あはは、ちょっと悲しい事を思いだしちゃって……』

私は笑ってごまかす。
カカシが悲しい顔をした。

『せ、先生?』

私はカカシの行動に思わず固まっていた。
カカシは突然私に両腕を回し引き寄せてきた。
つまり、私はカカシに抱き締められていた。

「あ、男苦手なんだっけ?」

カカシは思わず抱きしめてしまったルミが戸惑う声にはっとする。

カ(本当、どうしてここまで庇護欲掻き立てるかな?ナルトたちも守りたいと思うけど抱きしめたりしないぞ……)

カカシは自分の行動に驚きながらも、ルミと身体を離そうとした。



「流?」

私から離れようとしたカカシが問いかけるように私の名前を呼んだ。

私は離れようとしたカカシのベストを思わず掴んでしまっていた。

『すみません、ちょっとだけ……。』

私がそう言うと、カカシは困っているようだったが再び背に腕を回してきた。

カカシの手が私の頭をなでる。

『男の人は苦手ですけど、私は父親という存在に何より餓えてるんです。』

私は思わず少しの本音をもらす。

「オレはまだそんな年じゃないんだけどねぇ」

カカシはそう言いながらも私の背を撫でてくれる。

カ(それより今、自分のこと私って言わなかったか?)

カカシはルミのミスに気付きそれについて考える。

『そういえば、先生ってホモなんですか?』

私はようやく落ち着いてふざけてカカシにそう言った。

(映画とかアニメでも、ナルトに勘違いされてるシーンあったなぁ)

私はそんなことを思い出す。

「はぁ?なーにいってるの!そんなわけないでしょ!」

カカシは眉を寄せ私から離れる。

『冗談です。先生の女遊びの酷さは聞いてますから。』

私がそう言うとカカシはばつの悪そうな顔をする。


『まぁ、先生のおかげで元気になりました。』

私はそう言うと、カカシに背を向け家に向かった。

背後でため息がしたあとカカシの気配が消えた。
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