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If...

第2章 プロローグ


ジムの更衣室、私は長椅子に横になっていた。


トレーニングをしていたら、体調が悪化して立っていられなくなってしまった。


部活が終わっても、すぐに寮に戻れず、しばらくしてからジムを出た。

私は寮に戻るとシャワーを浴びて即行でベッドに横になる。


まだ寝るには早すぎる時間帯だというのに私はあっという間に眠っていた。





真夜中、私は自分の咳で目をさます。

(またか…)


そう思ってため息をつく。
今日は早く寝過ぎたせいも目が覚めた原因かもしれない。


『ゲホ、ゴホッ。』

私は今日もベランダに出ようとしてしゃがみ込んだ。


『ケホケホケホ、ゴホッ、ゲホッ。』


今日の咳は昨日より更に酷いらしい。

『ゴホッ、ゼー、ヒューヒュー、ガハッ。』


軽く呼吸困難になる。

(落ち着け、自分。)



私は自分に言い聞かせた。
呼吸困難になるのは初めててはない。
焦ってはだめだ、落ち着けば大丈夫。

そう思っていた。


『ヒューヒュー、ヒューヒュー。』


だが、一向に呼吸が回復する気配がない。

(あれ?これって結構不味い?)


死の一文字が脳裏を過った。


(やだっ!


……でも、これで楽になれる?)


そう思うと、息は苦しいはずなのに、なぜかほっとした。

私はふわふわする感覚の後闇に堕ちていった。

その日、私は死んだ。


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