第6章 終わり
それからわたしは、会長を避けるようになっていた。廊下ですれ違うと、彼はわたしに声をかけようとするから、走って逃げた。
だって、何言われるか分からないから。
もし、別れよう、って言われたら?
嫌だ。
聞きたくない。
それでも、彼がわたしのクラスに来ることはなかった。それが、安心する反面、悲しかった。
やっぱり、わたしはその程度なんだな、って思うから。
でも、そろそろ終わりにしなきゃ。
こんなのが長く続くわけない。
会長だって早くわたしと別れたいよね。
それで、別の女の人と付き合うんだ。
わたしなんかとは全然違う、可愛くて綺麗で大人な女性と。
それでいいんだ。
会長にはそういう人がお似合い。
わたしなんかじゃ、会長に釣り合うはずがない。