第1章 娼婦
「っくしゅ・・・」
思わずくしゃみを一つ。
外に出るには聊か薄着過ぎたか。
そう思いつつも私は大きく立ちはだかる城門をゆっくりと押し開け、そして城へと入り込んだ。
色とりどりの宝石や、華やかな装飾が城内のあちこちに散りばめられ、なんとも精悍な雰囲気を醸し出していた。
綺麗に思う気持ちや、思わず感動を覚える抒情など持ち合わせてはいないけれど、その華やかさには思わず目がチカチカしてしまう。
私はあたりを見回して中の様子をうかがっていると、一人の女中が徐に近づいてきた。
「お待ちしておりました、Ms.」
「・・・初めまして。」
「スフィア様より部屋の用意を仰せつかっております。
どうぞこちらへ」
「はい」
エプロンを翻して歩を進める彼女についていくと、赤い絨毯が敷かれた階段へと出た。
高級そうなそれは、見た目通りふかふかとしていて、私と彼女の靴音を吸収した。
「・・・ご存知ですか?」
「え?」
不意に口を開いた彼女へ視線をやると、彼女は優雅な足取りを崩すことなく会話を続ける。