• テキストサイズ

ねこわん‼︎【HQ】

第31章 灰羽リエーフの数日 2023


石段を降りると美優さんは俺に問いかける。

「これから一緒に行って欲しいところがあるの。予約はしてるんだけど…」

その言葉にしおりを確認すれば、その場所の地図と"14時"の文字。

「お土産とか見ながらゆっくり向かってもいい?」

そう美優さんは言うけれど、14時までは時間がある。駅近くにあるという目的地に向かうには早すぎて美優さんも困り顔。美優さんお手製のしおりと端末の二つと睨めっこしながら情報を集めれば、すぐ近くにアンティークの博物館のようで有名な名探偵の部屋などがあるらしい。
一緒に入ってみれば思った以上のアンティーク感。4階まである建物の中の一つひとつの階ごとにテーマが分かれていて、どれも煌びやかだ。

最上階まで続く階段に取り付けられた沢山の絵画を見ながら2階に辿り着けば、ガラスの戸棚に並べられたシルバーのティーセットや蝋燭立て。しっかり磨かれたそれに美優さんは目が釘付けだ。
3階はシャーロックホームズの部屋の再現。何かしらでみたことのある部屋の調度品やそれの配置、そして初版本などに感動しながら4階へ登れば、赤を基調としたヴィクトリア調の調度品。見目の麗しさに感動しながら下まで降りてくればシャーロックホームズのグッズやイギリスのお土産が並ぶミュージアムショップに心を動かされ、お互いに購入をしてしまった。
少しだけ時間を潰すはずだったが、思った以上に満足する時間で美優さんもずっとにこにこだ。
シャーロックホームズの洋服を着た可愛らしいクマのぬいぐるみを買ったようでそれだけで嬉しそう。

ミュージアムを後にすれば時間まではもう少しある。先ほど神社に向かうときに食べ歩きをした通りに再び出ると、目的地までゆっくりと歩いた。


/ 352ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp