第15章 15話

「・・・っ」





突然の事に攻撃を止められない2人のナイフとトランプは、私の身体をかすめた。



「彼を助けてなんになるんだい・・？というかキミはどういうつもりなんだ」

「お願いします・・トガリさんの命だけは奪わないで・・。」


ナイフで傷ついた腕を抑えながら、力なくヒソカさんを見つめ懇願する。

あまりの痛さと恐怖に今にも泣き出してしまいそうだ・・


「貴様！！何故邪魔をする！！」

「お願いします・・！お願いだから・・、トガリさん・・死なないで・・」


ただ解って欲しい・・、貴方にいなくなって欲しくないだけ・・。
無駄な死だと知っていて、貴方を殺したくないだけなんだと・・・・

ありったけの思いを込めて、私はトガリさんの瞳を訴えるように見つめた。


彼も困惑した表情で私を見つめ、動けないでいる









「うーん・・・、解ったよ。こうしよう」

私がトガリさんを見つめ微動だにしないでいると、突然ヒソカさんが視界から消えた。

「ぐっ・・！」



ドサ・・



そして次の瞬間、困惑した表情で私を睨みつけていたトガリさんが目の前で倒れたのだった。


一体何が・・



私が驚いていると、ヒソカさんはトガリさんからナイフや武器を奪い
そして壊してしまった。




「これでもう彼が死ぬ事はないよ、武器を持たないこの程度の相手となんて楽しくもないしね。」

「ヒソカさん・・」


「さ、行こう」




ヒソカさんがこんな事するなんて・・・。



そして私達はトガリさんをその場に残し
原作とは少し遅れて8時間後、無事ヒソカさんのおかげでトリックタワーを降りきったのだった。