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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第1章 1話


やばい!!

やばいやばいやばい!!!

暦は12月、私は真冬の早朝から全力で走っていた・・

肌を切るような冷たい風に負けそうになる
頬は冷えきり耳は痛いし、膝上15センチのスカートから見える太ももは赤くなってしまっていて少し痒いくらいだった。

それでも私が走らなければならない理由・・・  それは

ち   遅刻する!!!

「はぁっ・・!はぁっ・・・!」こんな苦しい思いするくらいなら・・あの時起きておけばよかったんだ・・!

そう後悔するのももう何回目なんだろう・・
肩で息をする身体は既に寒さなど感じてはいなかった、火照り汗ばんだ衣服は外気に当たり少しひやりとする。

そして苦しい息を整えながらも教室に向かうと、そこには私を裏切る光景が広がっていた。

「・・・・・え・・?」

教室のドアに鍵がかかっていて人気がない・・。
収まらぬ息切れで肩を揺らしながら私は携帯を取り出し、時間をチェックした

・・・・
なんで・・?丁度8時20分・・・・

・・・・・!!!

「体育館だ・・!!」

今日は登校時間が早められて朝会がある事を思い出した
しまった・・・。

私は休む間もなくまた走りだした。
とはいえ走ったところで遅刻は免れない

「はぁ・・、はぁ・・・・」 つ・・疲れた・・ もう当分走るのは勘弁・・

かばんもコートも持ったまま列の後ろに並ばされておとなしく体育座りになる

いい感じに恥ずかしいものだ

マフラーを外しながら隠すように顔を伏せた。

ちらちらと後ろを振り返る同級生たち・・

もう・・こっち見ないで・・!

心の中でそう叫びながら、私は固く目を瞑った・・・・

その時だ・・

周りが何かざわめきはじめたのだ。

私も何事かと薄く眼を開き、あたりを見回す・・
と、目に飛び込んできたのは私を見上げる群衆と迫る体育館のどでかい照明で

!!!!?

「やっ!何コレ?!」

そう

私の身体は宙に浮いていたのだ

反射的にスカートを抑えたのは誰かに「パンツ」と叫ばれたから。
訳の分からなくなった私は、ただひたすら縮こまりカバンとコートを抱きかかえ上に上にと上昇していく

わーきゃーと騒がしい声が体育館に響く中、とうとう私は天井をすり抜け消えてしまった。

ああ、遅刻さえしなければ・・・・。

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