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【庭球・BL・海不二】黄昏に映える人

第5章 追いかける。


 
 それでも。
 いつかはあの人と、コートという戦場で対峙することになる。

(そのとき俺は……)

 一体、どれだけ強くなっているんだろうか。
 せめて、背くらいは今より大きくなっているはずで。

 …そこでふと、俺は気付いた。
 最近、不二先輩の目線が近くなったことに。

 どうやら少し、背が伸びたらしい。
 俺はボールカゴを持ち直し、運び始めた。

 あと少し。

 もう少しすれば、同じ立場になる。
 そのときには、テニスも、背も、追いついてやる。

 そしていつか、追い抜かしてやるんだ――――。




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