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異次元ひねくれライフ

第8章 それ見た事か。


国の一大イベントが始まるってんで、私以外の人は皆大忙し。


ひとりやる事もなくぽつねんと座らされていると
従者の一人がやってきてこれから始まる王との謁見についての儀礼をレクチャーされた


口上とか、お辞儀のフォルムとかね。



本気で結婚したいなら一発で覚えなきゃならないけども
そもそも私自身が結婚反対なワケで。


ムッスリして目を合わせずに一言も口を聞いてやらなかった



そのうち諦めてくれて、また私はぽつねん。




時計の針が一回りしたところで、いよいよ私に移動が命じられた。




あー・・・タイムオーバーかぁ。




二人の従者がエスコートの上、
赤い絨毯が敷かれた廊下へ歩き出す。

もちろんその周囲は厳重な警備




やがて明らかに「ここに王様いますよ」な扉が眼前に迫り、
その重たい扉が開かれた。




ついに謁見室へ通される。



軽く体育館2つくらい・・・いやもっと大規模の広間だった。



私が歩くために敷かれた絨毯の両脇には大勢の人達。



突然鳴り響くファンファーレ。


招待を受けた偉い人から、教会の人達、楽器隊、
誰もが私をより傍で見ようとギリギリまで近づいて来る。

それを牽制する選りすぐりであろう護衛の近衛兵。




絨毯の先に、司教の姿が見えた。


顔までは見てないけどぜってぇほくそえんでるに違いない



その司教がスッと片手で何やら合図をすると
護衛の兵たちを統率するリーダー、クライブさんが司教の隣へ並ぶ。




うわぁ正装。アレ?めっちゃカッコいいんじゃ・・・!?



ちょっとクライブさんにときめくもつかの間、クライブさんが跪く。



ここから先はクライブさんがエスコートしてくれるワケね

司教の悪意が含まれている気がする。


小さく名前を呼ばれた気がしてちらっと横を見ると
今にも泣きそうな顔のステア。


彼は魔法使い見習いなので、ここに居られるワケないのに・・・



今度こそ明らかな司教の悪意が見えた。






突然、華やかだった音楽が静粛なものに変わる





「我が国へようこそ、銀の乙女」





厳かに、でも嫌味を感じさせるような声で司教が大仰に言葉を並べ始めた。
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