第1章 小さな秘密
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。もう授業は終わりだ。
「みつか~一緒にかえらねぇ?」
私の前の席でもあって私の親友でもある神崎 葵(かんざきあおい)が話しかけてきた。
「ごめん。今日は無理。これから図書室に行くんだ。」
「えーまた?んー、まあいいや。明日一緒にかえろーな!」
「うん。バイバイ」
「ばいばーい!」
葵ちゃんと一緒に帰りたい気持ちもあったが、図書室に行きたいという気持ちのほうが強かった。
ごめんね、葵ちゃんと心の中で思いつつ私は、図書室へと歩いていった。