• テキストサイズ

コトノハ 【気象系BL短編集】

第13章 I'll be there


左手にスマホを持って、その明かりを頼りに忍び足で廊下を歩く。

店内への扉のノブに手をかけ、音をたてないようにそっと5㎝ほど開けて、その隙間から中を覗いた。
すると、灯りは一ヶ所だけ、ついていた。

見間違いじゃなかったか。
変だな…。
確かに消したと思ってたんだけどな…?

灯りを消すために、中に入ろうと大きく扉をぐっと引いた。
半分ほど開けたとき

あれは…っ?

スタイリングチェアに座って俯いている男と、後ろ姿だけど、女性がいるのが見えた。

しかも、女性は床に膝立ちになっていて、スタイリングチェアに座っている男の開かれた足の間に頭があり、小刻みに揺れている。


な…っ!
神聖な職場で何てことをっ⁉

2人が何をしているのかなんて、直ぐにわかった。

あそこには大切なお客様だって座るっていうのにっ…!

沸々と怒りが沸いてくる。

今すぐに止めなきゃ!

~そう思うのに…、動けない。
俺が躊躇っている間に、2人の行為は激しさを増していき…


男の顎が、くっとあがった。
~と、その時、男の顔が見えた。

あっ!!

声を抑えるために、両手で口を覆った。
だけど、驚き過ぎて、ひゅっと喉が鳴った。

その微かな音に、男が反応して俺と目が合った。


/ 315ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp