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コトノハ 【気象系BL短編集】

第12章 愛のかたまり



トクトク

トクトク


どれくらいこうしていたのだろう?
次第に、櫻井翔くんの心臓が一定のリズムを刻みだした。

この腕のなか、安心する…。


俺は目を閉じた。


トクトク

トクトク


ああ、眠ってしまいそう…。

そう思い意識が浮遊しかけたとき、来客を告げる音が部屋に木霊した。


翔「和也たちかな?」

櫻井翔くんが玄関の方向を見る。

タイムアップ、か…?
残念…。

俺は、ゆっくりと顔をあげて、櫻井翔くんから離れた。

翔「僕が出ますから、大野くんはここに居てください」

櫻井翔くんがスックと立ちあがった。
俺はコクりと頷き、櫻井翔くんの背中を見送った。


一人リビングに残された俺は、左胸に手を宛てて深呼吸をした。
胸が早鐘を打っている。

何でこんなに…ドキドキするの?
久しぶりに人に抱き締めてもらえたからかな?


和「わっっ!」

「ひゃぁぁ…っっ、、」

背中をポンッと押された。
大きな声とその行為に驚き、床に手を着いた。

和「ビックリした?」

振り返るとそこには、ピースをした満面の笑みの二宮さんが立って居た。

「………」

何も答えられずに二宮さんをただ見上げている俺。
二宮さんの顔が、みるみる不安の色を呈してきた。


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