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コトノハ 【気象系BL短編集】

第8章 若葉のころを過ぎても


翔のお父さんと一緒にいた人って、大野のお父さんだったのかー。そんでもって、仕事仲間。
だから同室だったんだな、うんうん。

…あれ?待てよ?

「なあ、大野。仕事の打ち合わせで、バスローブに着替えたり、Yシャツ脱いだりするのかな?」

智「は?何言ってんだ?するわけねえだろ?何でそんなこと聞く?」

「そうだよな?しないよな?」

智「仕事中だろ?普通は、しねえな」

そうだよな?そうだよ!
だったら、どうしてだ?
俺の頭じゃ考えても答えが出そうにない。
悔しいけど、大野に聞いてみるか…。

「俺さー、実はな、あそこで見たんだよ」

智「何を?」

「あっ…と、その、お前のお父さんが…バスローブに…」

そこまで言うと、翔が目を覚ました。

翔「…う、ん…あれ?雅紀?と、大野くん?」

翔が俺たちを交互に見てくる。
まあ、仕方ないか。
一緒に居たことのない2人が、並んで座ってるんだからな。

智「翔、調子はどうだ?」

大野が翔の額に手を当てた。
翔がピクリと跳ねた。

…ん?

翔の顔がどんどん紅くなっていく。

…んん?

翔「だ、だい、だいじょぶ…です…」

…んんん?

大野が翔に笑いかけた。

2人が…纏っている空気が…?
昨日までと違う気がした。

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