• テキストサイズ

コトノハ 【気象系BL短編集】

第8章 若葉のころを過ぎても



【O】

父ちゃんたちが入っていった部屋の扉に耳をあててみた。

「う~ん。聞こえねえなぁ?」

俺の後ろに立ってる翔がタメ息を吐いた。
さて、どうするか?

翔「どうする?帰る?帰ろうよ?」

翔に腕を引っ張っられる。

「あんなこと聞いて帰れるか?」

翔「そうだけど…。もう、あんまり知りたくないしさ…」

まったく。仕方ねえなぁ。
周りに人がいないかを確認する。

「翔。ごめん!」
翔「え?」

翔の腹を目掛けて、力一杯殴った。
一応、謝ったからな?
翔が声を発することも出来ずに、腹を押さえながらその場に蹲る。

ホテルの従業員を探して「友達が苦しんでるから部屋で休ませてくれ」って、半ば強引に父ちゃんたちの部屋の隣の部屋に入ることに成功した。

翔が腹を押さえて、くの字になりながら俺を睨み付けてくる。
ベッドの縁に座りながら

「だから、ごめんって言っただろ?お蔭でここに入れたんだし…」

翔「………そうだけどさ?他のやり方なかったの?」

翔に暫くブツブツと文句を言われた。
それから逃れるために、壁に耳をあててみた。

/ 315ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp