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【WJ】短編

第3章 【切甘】孤独な王様/影山飛雄


「飛雄も、冗談とか言えるようになったんだね。」
「本気っす。」
「なんでこのタイミング?」
「そういうのよく分かりません。」


 飛雄が冗談でそんなこと言わないのは、私もよく知っている。


「俺、あの日からトスをした先に誰もいなかったらって思うと正直怖かった。けど、逢崎さんが俺なら皆を引っ張っていける、そう言ってくれたから、その期待を裏切らないように、次こそは頑張ろうって。だから、バレーやめませんでした。」


 私は飛雄に掛けた言葉を後悔し、飛雄から逃げていた。なのに、飛雄は私がかけた無責任なその言葉を大切にしてくれていた。


「…返事、聞かせてもらえますか?」


 私は北川第一の皆が大好きだった。その中でも、幼馴染みの勇太郎が可愛くて仕方なかった。そして、天才と云われながら、努力を惜しまない、不器用な飛雄が可愛くて、皆を好きとは違う意味で好きだった。


「私も、飛雄が好き。」


 そう言って私が笑うと、飛雄はよっしゃー、とガッツポーズをした。




               …ℯꫛᎴ

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