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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第7章 6 Melody.〜天side〜




「っ……大きな声出さないで」

「嫌だ!オレには素直に言ってよ……!!」

「……言ったって彼女は出てこない」

「そうかもしれない……でも1人で抱え込んでたら天にぃが潰れちゃうだろ……!」



陸が優しいせいで全てを吐き出してしまいそうだ。

苦しい事も辛い事も……
本当は乗り込んでまでに会いたいと思ってる事も……全部全部言ってしまいたくなる。


けどグッと堪えるしかない。
こんな所で言ったら大騒ぎになるのはわかってるから。



「……周りに惑わされないでって伝えて」

「自分で直接言って!絶対姉を連れて来るから……!」

「やめて」

「でも……!」

「陸、身体に障るから早く帰って寝たほうがいいよ」

「天にぃ……!!」

「おやすみ」



これ以上陸といたら自分が壊れそうな気がした。

だからさっさと話を終わらせて背を向けたけど……ボクの心は掻き乱されたままで落ち着く様子がない。


おまけに手まで震えだした。



(……キミは今何を思ってるの)



少し離れた場所から後ろを振り返る。
そこにが居るのに声すら聞けなかった。


こんなに虚しくて……こんなに悔しくて……こんなに悲しい事があるだろうか。



「……おやすみ」



このたった一言でさえも……今はまだ届かない……。



◆6 Melody.END◆
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