• テキストサイズ

【DBトラ】幼馴染

第2章 後編



 ユメは瞳を大きくしてトランクスを見つめる。


「オレは幼なじみとしてじゃなくて、恋人としてユメと付き合いたいと思ってる」

「……」


 言葉が、出てこない。

 さっきはあんなに饒舌だった自分はどこに行ってしまったのだろう。


 うそ……トランクスが……私を……?


 これは、何かの冗談……?


「……ね? 迷惑だろう?」


 と、そこで急に表情を和らげて苦笑するトランクス。


「ごめん! 答えなくていいよ。困らせてごめんね」


 そう言ってトランクスは立ち上がった。

 そのままユメに背を向けてぐーっと伸びをする。


「さて、そろそろ帰らなきゃね。送っていくよ」


 振り向いたトランクスはいつもと変わらない、優しい笑顔で。


「私も……」


 ユメはソファに座ったまま、トランクスを見上げる。


「私も告白する」

「え?」

「私、……トランクスが好き」


 トランクスのブルーの双眸が見開かれる。


「私が好きな人、トランクスだよ」


 胸が、ドキドキしている。

 でもそれはこれまでとは違って、すごく心地良いもので……。


「ほんとに?」


 トランクスの問いに、真っ赤になりながらユメはコクリと頷く。


「ずっと前から、トランクスの事好きだった」


 途端だった。

 トランクスの顔が耳まで真っ赤になった。


「ごめ……ヤバイ、すごく嬉しい」


 そう言うトランクスが妙に可愛くて、ユメはここにきて急に幸せを実感する。

 きっとこんなトランクス、誰も見たことがない。

 同じ幼なじみの悟天だって、きっとこんなトランクスは知らないはずだ。


 私だけだ……!


「ユメ、その……抱きしめていい?」

「へ!?」


 びっくりして思わず変な声が出てしまった。


「ユメがオレのものになったって、実感したいんだ」

「……うん」


 ユメは赤くなりながら小さく返事をして、ゆっくりとソファから立ち上がる。

 トランクスはそんなユメを優しく抱き寄せた。

 ユメも、おずおずとトランクスの背中に腕を回す。


「ずっと、こうしたかった」


 今までの時間を埋めるように、二人は強く抱きしめあった。


/ 10ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp