第5章 試験前に…… 参
「次は何処に行こうか」
肉まんを食べながら横浜中華街を見て回った後、私達は再び歩き出した。
「ひなたさん、女の子ですし……」
前を歩くナオミさんが此方へくるりと振り返ると、私の手を取り云った。
「お洋服を見ませんか?」
「わあっ、楽しそうです!」
中々服を買う機会の無い私はあまりお洒落をした事がなく、都心のキラキラとした子達が羨ましかった。
「ふふ、そう言って下さると思ってましたわ。ということで、お次は此処です」
ナオミさんが指差す先は_____。
「赤レンガ倉庫?」
「良く知ッてるね」
「前から行ってみたいと思ってたんです」
確か洋服だけでなく、アクセサリーやレストラン等もあって、一日中居られるくらい施設がたくさんあった気がする。
「此処は人気デート場でもある様だよ」
云われて辺りを見回すと、何組ものカップルが楽しそうに歩いていた。
あらゆる楽しませる施設があるから、初めてのデートでもぴったりなのだろう。
「さぁ、ひなたさん。せっかく来たんですからウィンドウショッピングしましょう」
「はいっ」