第8章 八話
一口飲んで、カップをテーブルへ置く。
「…テレビつける?」
「…別に。」
特に面白い番組もない。
それにしても今自分が先生の家にいてこうして二人でいるのが不思議で妙な感覚だ。
……慣れない。
昨夜は限界になるまでお互いに腰を振りあった。
先生の顔はいつも通りで疲れなど感じとれない…。
すると先生は俺に身体を預けてきた。
「…………。」
「…落ち着く。」
満足そうにそう零す先生。
……こんなの、まるでカップルがするような。
改めて浮気していることを思い知らされた。
「…麗香って呼んで?」
「……麗香、さん…。」
名を呼ぶと嬉しげに更に身を寄せてくる。そのせいで豊満な胸が腕に当たった。
「…今日はいつまで居られる?明日も休みよね?」
…確かに明日も休みだ。別に何の予定もない。
先生は俺とまだ一緒にいたいのだろうか。
「…予定がなかったら、今日も泊まっていかない?」
……なんでこの言葉が魅力的に聞こえるのだろう。
まだ俺も先生とセックスしたいのだろうか。それとも先生といたいのだろうか。
………。
先生が顔をあげて頰にチュッとキスを落とした。
思わず先生のほうへ顔を向けると微笑む先生と目が合う。
そこから口づけるのに時間はかからなかった。
先生の後頭部に手を添えて、キスを繰り返す。相変わらず先生の唇は柔らかくて気持ち良い。自然とお互いに口を半開きにさせていき、舌を絡ませあう。ねっとりとした深いキスをしながら俺は先生をソファへ押し倒した。