第14章 cocktail1
収録を終え、スタジオを出ると後ろから声を掛けられる。
「あやめちゃん!」
「自由も収録だったんだ。」
「うん。そうだよ。ね?」
「この前、キラフェスに来てくれてありがとう。」
「あー。うん。こちらこそ楽しかった。ありがとう。」
「そうそう!差し入れもありがとうね。お礼に奢らせてよ。」
「え。別に良いよ…私も行って楽しんだし。」
「それだけで十分。」
足早に出口に向かう。
グッと肩を掴まれ、足を止められる。
「えー。そんなこと言わないでさ。ね?」
「うーん…。」
何か今日の自由は変…
私の直感がキケンな雰囲気を察知する。
「この後とかどう?」
「うーん。」
眉をひそめ、様子を窺う。
「ね?良いでしょ?」
「………急だね。」
「善は急げってね?」
何でこんなに食い付くんだろう…
そこに少し興味がわく。
「まぁ、別に良いけど。」
「でも、こんな時間じゃお店も限られちゃうんじゃない?」
「大丈夫大丈夫。知り合いの店だし!」
目がキラキラしてて可愛い。
「そう?……じゃあ…少しだけなら。」