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恋ぞつもりて(裏)~声優さんと一緒~

第41章 night scape


何度も何度も謝る良平。

苦しんでたのは私だけじゃなかったんだ。

私はいつも自分のことばかり。

「良平…」

「私こそごめんなさい。」

「貴方の気持ちなんて何にも考えないで、自分の気持ちを押しつけてた。」

「苦しんでたのは私だけだと思ってた。」

「良平の事…ちゃんと見てなかったのは私だもの。」

「苦しませて……ごめんなさい。」

暗くて見えない良平の顔。

それでも、こんな近くで貴方の顔を見られるなんてあの日以来。


あの頃から、私は良平のことを見てなかったんだと思う。

あの日から立ち止まって進めなかったんじゃない。

誰にも向き合おうとしなかったの。

顔を上げようとしなかったから自分が何処にいるのか分からなかったんだ。

そう。

私は一人だったんじゃない。

ずっと色んな人に助けられてきた。


「良平…私と一緒にいてくれてありがとう。」

「謝りたいことは沢山あるけど、それ以上に感謝の気持ちの方が大きい。」

「ありがとう。」

そう言うと、良平は抱き締めてくれた。

鼻腔を擽る懐かしい香り。

「本当に好きだったんだ。」

「ごめんな。」

「それから…ありがとうあやめ。」

やっと顔が上げられた。

ありがとう。

良平。

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