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【イケメン王宮】彼たちの物語

第5章 背の高い彼


んもう!
こんな大事な日に公務入れるなんて!
どうかしてる!


アヤセは白い花束と、
お酒の瓶が入った袋を持って
野道を急いでいた。

スッ…

「えっ!」

後ろからお酒の袋を取られた。

その方を向くと、

うっ…

背が大きい…

首をあげると、

190㎝はありそうな身長、
真っ白な肌に黒々とした髪の毛、
同じくらい黒い服装をした男の人がいた。

にっこりとアヤセを見下ろしている。

「…あ、あの…」

「持ってあげる。」

「あ、ありがとうございます…
あの…あなたは…」

しかし言い終わらないうちに、
その人は口を開いた。

「ったく、ひどいよねーあいつ。
こんな日に仕事なんてさ。
しかもアヤセにこんな重いもの
持たせて。」

「え…」

キョトンとした顔をする私を見ると
その人は微笑みながら続ける。

「行くんでしょ?リースんとこ。」

「う、うん!」

(リースさんのこと知ってるみたい…)

アヤセはなんだか親近感を覚え、
それ以上は特に聞かず、
その人と一緒にリースのところまで
行くことにした。


しばらくしてリースのお墓の前に辿り着く。


アヤセは花束とお酒を供えて、
目を閉じた。

その人も同じようにしていた。

アヤセは目を開け、立ち上がる。

「あの、あなたもリースさんのこと
知ってるの?」

「え?」

その人は少し驚いた顔をするも
すぐに微笑む。

「ふふ…」

するといきなりアヤセを
押し倒してきた…!

アヤセは芝生の上に組み敷かれる。

「えっちょっちょっと…!」

そしてその人は…

「きゃっ……
ちょ、ちょっとくすぐったい…!

あははっやっやめてっ…!
リースさんが…見てるっ…!」


アヤセの顔や首、鎖骨の辺りを
嘗め回してきた。

それがくすぐったくて仕方ない。

しかしそれはなんだか覚えがあった。
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